45回 静岡ホビーショー 

第17回モデラーズクラブ合同作品展
                                                         

 かたゆで玉子な静岡遠征レポート
                                                                 西尾貴

−目立って事はムズカシイのさ−

 ごく個人的な事で恐縮だがこれが俺にとって三度目の静岡合同展示会だ。回を増す毎に強くなる「観て欲しい!」欲求。まさに人の業と言うべきか。何でもかんでも持込むのはもう止めだ。あえて相応の意志を込めた作品だけに絞込む。無駄に二度の経験を踏んではいない。過去のただ組んだだけのモノには別離をつげる。

 やはり反応が違う。

 当然といえば当然の結果だ。別段自分の作品に限らない。他のメンバーの作品への反応も同様だ。意志が込められた作品は磁石の様に人目を吸い寄せる。「観てもらいたい」なら観てもらうべく意志と工夫が必要。ただそれだけの事さ。
 とはいえ神ならざる人の身。思惑を超える出来事はままあること。今回ソレは間近で起きた。しかも自らの卓で。

王蟲だ。

 そもそものきっかけはここで語る必要もあるまい。皆、周知の事だ。他愛もない、今となっては誰が言い出しっぺなのかも分からない。文字どうりほんの思いつき。それに面白がって皆がノッてきただけの事。まあ、結果あれだけの人数が絡んでくるのは予想外ではあったがね。

「意志の重なりがあれ程のものになる事に思い至らなかった」

 それは手前の経験値不足をさらけ出しただけの事。甘かったのさ。そんな甘さを王蟲は見事に蹴散らしやがった。無論、自分も一枚噛んでいるんだ。当然嬉しいさ。だけど嫉妬している自分もそこにいる。こいつも揺るがせない事実だ。

 「やったぜ!王蟲大人気だ!」本当にやって良かったよ。心底そう思うね。でも、「王蟲だけじゃねえ!他も観てくれよ!」これも本音さ。エゴだということは充分過ぎるほど分かっているさ。頭ではね。ただ、心の奥底は違う。ドロドロしているのさ。自分の作品が目立って欲しいんだ。それに静岡はそんな想いのバカヤロウ共の集まる場だ。そう思ったって可笑しくはないだろう?まあ、「轍」の名を上げたのは確かだ。今度ばかりはしてやられた事を素直に認めるよ。次回は巻き返してやるからな。

 ところで一抹の不安が有る事は有る。ソレは何かって?
決まっているだろ?それは「また企画ネタをやらないか?」と誘われる事さ。
あれはタチの悪い女のようなものさ。痛い目に会うのが分かっていても知らず知らずハマってしまうのさ。多分断れねえだろうな。

 最後にちょっとした出来事を一つ。ある家族連れらしき客が目の前で電話をしていたんだ。
で、そのセリフが傑作。

「待ち合わせ場所は『王蟲前』。」

フン、出来過ぎだぜ。